外観は覚えているのに、物件名が出てこない。内見動画で見た部屋を探したいけれど、保存先が分からない。そんな資料探しを、言葉を手がかりに進める用途が考えられるのが、GoogleのGemini Embedding 2です。
Googleは2026年3月10日、このモデルの公開プレビューを発表しました。今回はその発表を振り返ります。2026年9月9日に確認された公式ガイドでも、gemini-embedding-2は最新のマルチモーダル埋め込みモデルとして案内されています。
写真と文章を、共通の仕組みで探す
埋め込みとは、資料の意味や特徴を数値の並びで表す仕組みです。マルチモーダルは、文章や画像など複数の種類の情報を扱うことを指します。Googleによると、Gemini Embedding 2はテキスト、画像、動画、音声、文書を共通の埋め込み空間へ写します。「共通」とは、文章と写真のように種類が違う情報も、数値の表現を通して意味の近さを比べられるということです。検索では、探したい内容を表す言葉も数値に変え、資料を表す数値との近さを手がかりに候補を選びます。言葉から関連する写真や動画を探せるのは、この比較ができるためです。音声は文字起こしを挟まず取り込み、公式ガイドは検索、分類、似た資料をまとめるクラスタリングへの利用を挙げています。
利用の入口は、プログラムからモデルを呼び出すAPIです。APIから得られる数値を使い、資料を登録して候補を探し、元のファイルを開くまでの仕組みは、検索システム側で組み立てます。
たとえば不動産会社で、外観写真、間取り図、内見動画、説明文を、文章の条件から横断して探す使い方が考えられます。これは実際の導入事例ではなく、活用の仮説です。条件に近い資料を見つけることと、その物件を顧客へ紹介してよいかの判断は、分けて確かめる必要があります。
物件一式か、写真一枚かで入力を区切る
Googleが示した発表時点の入力上限は、画像6枚、動画120秒、PDF6ページでした。また、9月9日確認の公式ガイドによると、複数入力を渡すと一つに集約された埋め込みが返ります。資料ごとに個別の数値の並びが必要なら、入力の区切りに注意が必要です。
物件一式を候補に出したいのか、特定の写真や動画を開きたいのか。複数の資料をまとめて渡すと一つの数値の並びになるため、検索結果として返したい単位に合わせて、入力の区切りを考えます。たとえば営業担当者が探したい資料とその用途を示し、検索・システム担当者と試行の対象や返す単位を相談するところから始められるでしょう。