会社の手順書を、顧客との会話で使う手順へ落とし込む。その下書きを作る方法として、ElevenLabsは2026年6月30日に「Procedures」を発表しました。発表記事は8月31日に更新され、掲載記事ではAlphaとされています。
同社は、既存の手順書やPDFなどを取り込み、手順の下書きを作って確認する方法を案内しています。たとえば家電通販の返品窓口なら、購入日を確かめ、症状を聞き、交換の案内か担当者への引き継ぎへ進むまでを、どう会話にするか考える足がかりになります。
手順書を会話に移す際には、確認事項をそろえることに加え、顧客がどの順番で事情を話すかにも向き合います。Proceduresが説明する二つの方式は、この作業を考える手がかりになります。
順に確かめる手順と、話の流れに沿う手順
ElevenLabsの説明では、「Structured Procedures」は決まった順序で進める方式です。「Free-form Procedures」は、文脈やルールをもとに会話へ対応します。
家電通販での使い方を想像してみます。以下は発表内容を踏まえた活用例です。
購入日、型番、保証の条件を確認してから次の案内へ進む対応には、Structured Proceduresを検討できます。返品・交換の手順書や保証条件のPDFをもとに下書きを作り、確認する順番や、回答によって案内が分かれる箇所を担当者が見直す使い方が考えられます。
一方、顧客が購入日と症状をまとめて伝えたり、途中で別の困り事を話したりする場面も想定できます。Free-form Proceduresは、こうした話の流れを扱う候補になります。ただし、必要な確認を済ませながら会話を進められるかは、自社の問い合わせを想定した会話例で確かめる必要があります。
下書きがあれば、担当者は「この症状では保証条件の確認が足りない」「この回答から交換の案内へ進んでよいか」と、会話の具体的な箇所を見ながら検討しやすくなるでしょう。文書の内容を確認する作業に、顧客への聞き方や案内の順番を点検する作業が加わる、と捉えられます。下書きの作成後には、社内の運用に合うかを確かめる工程が必要です。
返金の説明と承認を、別の作業として設計する
返品窓口では、何を説明するかと、誰が判断するかを決めておく必要があります。自然に会話できることは、返品や返金の判断を無条件で任せられることを意味しません。
たとえば、返金の申請方法を説明する作業と、返金を承認する作業を分けます。申請の案内では、確認済みの情報に応じて次の手続きを伝える流れを考えられます。承認については、誰がどの条件を確認して決めるのかを会社側で定めます。その境目を明確にすれば、会話の途中で担当者の判断が必要になる箇所も点検しやすくなるはずです。
試す対象には、よくある問い合わせのうち、確認項目がはっきりしている対応が考えられます。購入日や型番をそろえられるか、症状を聞き取れるか、条件に当てはまらない場合に人へ引き継ぐ手順が成り立つかを、会話例で確かめます。
引き継ぎの設計では、渡す情報まで決めておくと具体的になります。購入日、型番、症状、確認した保証条件に加え、どこで判断が止まったかを添える運用なら、引き継いだ担当者が次に調べることを把握しやすくなるでしょう。これは製品が保証する効果ではなく、窓口を設計する際の考え方です。
発表記事でAlphaとされる段階を踏まえると、まずは範囲を絞った問い合わせで、下書きが自社の手順に合うかを確認する進め方が考えられます。案内の内容と、人の判断へ戻す条件を一緒に見直すことが、試用時の具体的な仕事になります。