キャンペーンページで、季節に合う使い方を先に伝えるか、商品を先に見せるか。そんな企画の違いを、動く画面にして比べる機能が加わりました。Lovableは2026年9月7日、複数の案を並行して検討できる下書き機能「draft」を発表しました。

発表元の資料によると、draftは、それぞれ独立したチャットとプレビューを持つプロジェクトのコピーです。別案ごとにやり取りしながら表示を確かめ、採用した案はpublishという操作で公開へ反映できます。チームにとっては、企画を一つに絞る前に、候補を具体的な画面として見せられる点に使い道がありそうです。

試せるのはレイアウトや文章。データの構造は元のプロジェクトで変更

下書きAを作る:ひとつ目の画面を試す。下書きBも試す:別の案を並べて検討する。採用する案を選ぶ:動く画面で相談する。下書きの画面は別でも、公開中のDBは共有する

初版が対象とするのは、レイアウト、デザイン、文章など、利用者に見える画面部分であるフロントエンドの変更です。データベースの構造やログイン設定を変える作業は、元のプロジェクト側で行います。

ページの見せ方を複数案で検討する場面に向く一方、会員登録の仕組みや保存するデータの構造まで、下書きごとに自由に作り替える用途には当てはまりません。比較したい内容が画面上の変更で収まるかを整理すると、使いどころを判断しやすくなります。

ECの季節企画を、商品担当やデザイナーと見比べる

たとえば、小売業のEC担当が季節キャンペーンのページを準備する場面が考えられます。材料として入力するのは、掲載する商品の説明、キャンペーンの企画書、仮の見出しや紹介文です。A案は季節の使い方から入り、B案は商品を先に見せる構成にして、それぞれの下書きで表示を確かめます。

商品担当は、説明に誤解がないか、推したい商品の特徴が伝わるかを確認します。デザイナーは見出しと画像の関係や読み進めやすさを見て、EC担当は企画の狙いに合う構成かを判断します。これは機能から考えられる使い方で、実際の導入事例ではありません。

稟議用の説明資料に動く案を添えられれば、レビューで話せる内容も増えると考えられます。季節感を強めるという抽象的な要望も、どの説明を先に置くか、商品へどんな順番で案内するかという議論に進めやすくなるためです。仮の文章でも、画面に置いて読むことで、長すぎる説明や足りない情報に気づくきっかけになります。

ただし、案を見比べて合意できることだけで、売上向上まで判断することはできません。画面を共有すれば採用理由は話し合いやすくなりますが、その案が購入につながるかは別途確かめる必要があります。担当者には、見た目の好みに加え、企画の目的に照らして選ぶ判断が残ります。

書きも公開アプリのデータベースにつながる

利用時に押さえたいのは、下書きと実データの関係です。Lovableは、現在のdraftが公開アプリのデータベースに接続すると説明しています。チャットとプレビューが分かれていても、実データまで隔離された検証環境になるわけではありません。

そのため、画面の見た目を確認する操作と、データを書き換える可能性がある操作は、分けて考える必要があります。たとえば、商品情報の更新を伴う操作まで試す場合は、下書きだから影響がないと判断せず、接続先と操作の内容を確認するのが妥当です。

企画の担当者が複数の画面案を持ち寄れるようになると、制作担当との相談も、完成後の修正依頼だけでなく、構成を選ぶ段階から始めやすくなると考えられます。画面で試せる範囲と公開データとのつながりを把握したうえで、どの案を、なぜ採用するかをチームで詰める使い方が期待できます。